お墓は必ず建てなければならないのか?

お墓は必ず建てなければならないものなのでしょうか。
お石材店などへの問い合わせで意外と多いのが「お墓は必ず建てなければならないのか?」という内容のものです。
日本人にとって死後お墓に入るのは一般的な事であり、お墓を持つこと自体に何も疑問を持たない人も多いでしょう。

では、お墓は必ず建てなければならないのでしょうか。
それにはまず、お墓の意味合いを理解する必要があります。

お墓とは宗教上のある種の施設であるといえます。
故人本人にとってお墓は眠りに付く場所であり、輪廻に沿って自然に帰るための場所です。
残された家族にとってのお墓は亡くなった人へのお参りやお世話をすることで故人とふれあい、故人を感じることで故人を亡くした苦痛から救うという役割を持っています。

また、お墓と位牌はほぼ同じ意味合いを持っています。
両方とも、故人が供養されているお寺へ行かなくても、その場でご供養する事ができるという物であり、位牌は魂が、お墓には体が宿っているとされています。
故人の魂は、故人を思うところに存在しているとされ、お墓参りに行く事で故人の魂がお墓(体)に戻ってくるという考え方です。

これらは仏教の観点から見たお墓の意味合いですが、神道やキリスト教などの他の宗教のお墓についてもほぼ同様の意味合いをもっているといえます。
機能的にいえば、ご遺骨を納める為の物ともいえます。

ではお墓は必ず建てなければならないのでしょうか。
結論からいえば、必ず建てなければいけないという決まりはありません。
前述のお墓のもつ意味合いからもわかるとおり、お墓とは精神的な象徴のようなものであり、規則に沿ってお墓を建てているわけではないのです。
日本ではお墓が深く定着しているので、お墓を持つのが当然、持たなければならないと考えている人が多いだけなのです。

実際、仏教国のインドではお墓に骨を治めず散骨しています。
ご遺骨はお墓やお寺に収めなければいけないというわけではなく、自宅で保管しておくことも可能なのです。
仏教などの宗教的決まりも無いといえます。

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